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予防注射について

【 ワクチン 】

まずお考えいただきたいことが『混合ワクチン』の接種です。
ワクチン接種は感染力が強く恐ろしい病気からわんちゃんやネコちゃんを守るために行うものです。そしてそういった恐ろしい病気は治療が難しく、予防がとても大切になってきます。
混合ワクチンは伝染病に対して抵抗力をつけるため、年1回行う注射です。予防できる病気の数により5〜9種混合ワクチンがあります(どれを選べばよいかは獣医師におたずねください)。
特に子犬さんにはしっかり免疫をつけるため、当院では生後2,3,4ヶ月目の3回接種をおすすめしています。以後1年に1回の追加接種が必要となります。

 

【 狂犬病予防注射 】

狂犬病は、未だに世界中に毎年約50,000人もの死者を出している非常に怖い病気です。
現在の日本にはない病気ですが、日本のように狂犬病がない国は全世界でもかなり少数で、イギリス、オーストラリアなどの一部の国のみです。
狂犬病は、狂犬病に感染した犬に咬まれて発病することが多いため、"犬"という文字が使われていますが、実際には犬だけでなく、人を含めたすべての哺乳類に感染するきわめて危険な感染症です。現在は海外からたくさんの動物が輸入されていますし、数年前、フィリピンへの観光客が現地で感染し帰国後発症したことからも、狂犬病発生地域からの人やペットの往来が活発な今、いつ狂犬病が日本で発生してもおかしくないという状況です。
このような状況のため、狂犬病ワクチンを年に一度ワンちゃんに接種することが『狂犬病予防法』という法律で国によって義務付けられているのです。

 

【 予防接種についてのご注意 】

予防接種は動物の健康を維持するためには欠かせないものですが、接種することによりいくらかのアレルギー反応(副反応)を示す場合があることが認められています。

  • 局所の反応(注射部位に現れる症状)痛み、痒み、発赤、腫瘍形成
  • 目の症状 目の周囲の腫脹、痒み、角膜の混濁
  • 軽度の全身症状 全身の痒み、発熱、精神的に過敏になる
  • 重度の全身症状(非常にまれ) 虚脱、呼吸困難、激しい嘔吐、粘膜蒼白

等があります。副反応がでたとき治療できるように、午前中に来院されることをお勧めします。

 

ネコちゃんのワクチン

ネコちゃんは外にでるとエイズ、白血病など怖い伝染病がたくさんあります。事前に予防することで恐ろしい伝染病から愛猫を守ってあげましょう。 ネコちゃんのワクチンには3種・5種の混合ワクチンとネコエイズワクチンがあります。 5種ワクチンを接種する際にはネコ白血病ウイルスの血液検査を行い、すでに感染がないかを確かめてから接種を行います。

 

《ワクチン接種で予防できる伝染病》

 

【 猫ウイルス性鼻気管炎 】

ヘルペスウイルスによる感染症で、ひどいくしゃみや鼻炎などの呼吸器症状をひきおこします。感染するとウイルスは生涯体内に残ります。

 

【 猫カリシウイルス感染症候群 】

猫ウイルス性鼻気管炎と同様の呼吸器症状をはじめ、症状がすすむと口の周辺に潰瘍ができたり、急性の肺炎をひきおこします。

 

【 猫汎白血球減少症 】

パルボウイルスによる感染症で、白血球が極端に減少してしまいます。子猫では1日で死ぬこともある怖い病気です。

 

【 猫クラミジア病 】

クラミドフィラフェリスによる感染症。結膜炎や鼻水くしゃみ、肺炎などをひきおこします。

 

【 猫白血病ウイルス(FeLV) 】

FeLVは血液や唾液、涙、糞尿などに含まれ、感染経路が多くうつりやすい伝染病です。ネコちゃん同士が同じ食器を使っていたり、お互いに舐めあうなど、FeLV陽性ネコちゃんとの長時間に及ぶ密接な接触によってうつります。持続感染すると80%が3年以内に死亡するといわれている伝染病です。白血病やリンパ腫などをひきおこします。免疫力が弱まるため、いろいろな病気も併発しやすくなります。また、潜伏期間がとても長く、その間は見掛け上健康にみえますが、ウイルスを唾液中に排出しており、他のネコちゃんにうつってしまうことがあります。

 

【 猫免疫不全ウイルス感染症 】

(FIV・猫エイズ) FIVはウイルスが主に血液や唾液に含まれるため、ネコちゃん同士のケンカで噛まれたりすると感染します。FIVに感染するとはじめは一見健康そうに見えますが次第に元気がなくなっていきます。免疫力が低下するため、いろいろな病気を併発しやすくなり、ついには死亡してしまうこともあります。