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どうぶつドックについて

近年、多くの飼い主の方が病気に対する詳しい説明を希望され、最大最良の治療を選択されます。日々のケアでも出来ることは何でもしてあげたいので教えてくださいという方も増えています。また、普段の診察を通して多くの飼い主の方が口にされるのが「この病気、もう少し早く気付くことが出来たのでしょうか?」という言葉です。どうぶつたちは言葉が話せないために自分で症状を伝えられません。

 

それでは早期に病気を発見するためには何が必要なのでしょうか?

 

予防できる病気は必ず予防を行うことが大切ですが、その他の病気に関しては定期的に健康診断を受けることが重要であるといわれています。実際の健康診断でも、膀胱結石心臓病などが発見されています。

 

【どうぶつドック】定期健康診断

犬・猫版の人間ドックです。
わんちゃんや猫ちゃんは1年間に約4〜5歳年をとると言われていますので、少なくとも1年間に1回程度は受診されることをお勧めします。
検査項目は、年齢により血液・尿・便・エックス線・超音波検査などを組み合わせて行います。わんちゃんは人間の約2倍『ガン』になりやすいことからも、早期発見・早期治療の重要性がご理解いただけると思います。

 

僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症の治療前   僧帽弁閉鎖不全症の治療後

 

検査内容

 

一般身体検査

  • 体重測定、体温測定
  • 聴診(心音、肺音)
  • 骨格、皮膚の状態、眼、耳、口腔内、体表リンパ節などのチェック

などにより外からわかる異常がないか確認します。

 

便検査

  • 寄生虫の虫卵、原虫、腸内細菌の異常の有無を調べます。

 

尿検査

  • 顕微鏡検査;膀胱炎の原因になる結晶や細胞の検査です。
  • 尿試験紙検査;尿糖、尿蛋白、ビリルビン、潜血反応、PH、尿比重、ケトン体、白血球
    などを調べることにより糖尿病、尿結石の出来やすさ、膀胱炎の有無、腎臓の機能を評価します。

 

血液検査

血液の検査をすることで外からではわからない内臓の異常がないか確認できます。

 

レントゲン検査

胸部・腹部をそれぞれ2方向、合計4枚のレントゲン撮影を行います。レントゲン検査により体の中の各臓器の大きさや形状の異常や臓器へのカルシウム沈着などがないか確認します。

 

腹部エコー検査

超音波検査を使って肝臓、腎臓、脾臓、膀胱、前立腺などの腹腔臓器の内部を調べます。レントゲン検査だけでは確認しにくい腫瘍やレントゲンには写らない膀胱内の結石などを確認できます。

 

心臓検査

聴診やレントゲン検査で心臓の異常が確認されたり、キャバリアやメインクーンなどの遺伝的に心疾患を起こしやすい患者さんでは特にお奨めしています。一言で「心臓が悪い」といってもどこがどうおかしいのかが分からなければ適切な治療は行えません。
心電図検査で房室ブロックなどの不整脈の有無や頻度を確認し、レントゲン検査で大きさや形、エコー検査で血液の拍出力や心臓内部でどこに負担がかかっているか、4つある心臓の弁の形や逆流の程度などを判断し、心疾患のレベルを把握するとともに投薬が必要な場合、くすりの中でどのくすりが適しているかを判断していきます。

 

甲状腺ホルモン検査

中高齢のわんちゃん、猫ちゃんではよくみられる、のどの横にある甲状腺からのホルモン分泌の異常を調べる検査です。甲状腺ホルモンは体の代謝をコントロールしています。一般的にわんちゃんでは「甲状腺機能低下症」、猫ちゃんでは「甲状腺機能亢進症」が認められることが多いです。

 

副腎機能検査

中高齢のわんちゃんでよく見られます。腎臓の隣にある副腎からのホルモン分泌の異常を調べる検査です。副腎でのホルモン分泌は脳内の下垂体というところにより調節されています。血液での機能検査やエコー検査による副腎の大きさ、形状などから異常を発見します。

 

アレルギー検査

皮膚のかゆみの原因には細菌、カビ、ダニなどの寄生中の感染や自己免疫疾患、アレルギーなどさまざまなものがあります。その中でアトピー性皮膚炎を含むアレルギーを原因とした皮膚炎が疑われた場合に原因となる物質(アレルゲン)の特定を行います。
これらの検査結果や経過、症状などからアレルゲンの回避やシャンプーなどを含めた皮膚バリア機能の改善、除去食(新規タンパクや加水分解タンパクなどアレルギーを起こしにくいフード)試験などにより効果的な痒みのコントロールを考えていきます。 >> 詳しくはこちら